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ガーデンシティうべ

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ガーデンシティうべ

緑化の歴史

「緑と花と彫刻のまち 宇部」ができるまで

本市の緑化事業の歩みを振り返ります。


【戦 後】
宇部市は戦災により市街地の大半を焼失したものの、再建にかける市民の熱意と石炭景気に支えられ、戦後順調な復興を遂げました。
一方、産業の発展とともに、企業の石炭使用量が増加し、降灰によるばいじん汚染という公害問題が発生しました。

ばいじん世界一の汚名返上

【1949 年】
市民の生活環境を守るため「宇部市降ばい対策委員会」が設置されました。

【1951 年】
全国に先駆けて、「産・官・学・民」からなる「宇部市ばいじん対策委員会」を設置し、相互信頼と協調の精神をもって、話し合いによる、全市民が一体となった「宇部方式」といわれる独自の公害対策の取り組みを積極的に展開し、ばいじん汚染の克服に努めました。

【1970 年】
市民、事業者、行政の環境保全に関する責務を明らかにした「宇部市環境保全条例」を制定し、総合的な環境保全対策への取り組みが始まりました。

【1997 年】
「宇部方式」による公害対策の取り組みが国際的に評価され、国際連合環境計画(UNEP)から「グローバル500賞」を受賞しました。

まちに緑を取り戻そう

宇部市の緑化事業のはじまりは、降灰によるばいじん汚染という公害問題を克服することがきっかけとなりました。


【1950 年】
緑化事業(客土と施肥による土壌づくり)に着手し、樹木の成長に従い、次第に市民の共感や協力が得られはじめました。

【1951 年】
平和通りの緑化に着手しました。

【1951 ~ 52 年】
常盤通り~沖ノ山線の緑化に着手しました。

【1953 年】
平和通り~常盤通りの緑化で建設大臣表彰を受賞しました。

【1963 年】
宇部市のキャッチフレーズが「緑と花の工業都」に決まりました。

【1966 年】
様々な市民運動を統合した、「宇部市緑化運動推進委員会」が組織され、緑化事業が推進されました。

【1972 年】
宇部市緑化運動推進委員会(会長:宇部市長)が実施した一般公募により、市木を「くすのき」と定めました。

【1983 年】
緑の都市賞「建設大臣賞」を受賞しました。

【1987 年】
緑化推進運動功労者「内閣総理大臣賞」受賞、都市景観形成モデル都市に指定されました。

【1989 年】
宇部市のキャッチフレーズが「緑と花と彫刻のまち」に決まりました。

【1993 年】
「緑と花と彫刻のまち 宇部」にふさわしい、うるおいのある都市景観を創出するため、市道常盤通り宇部新川駅線(シンボルロード)を再整備しました。

【2006 年】
市道宇部新川駅通り線を再整備しました。

【現 在】
街路樹が市民2人に1本の割合となりました。

花いっぱい運動

緑化事業が多くの市民の共感を得て、まちぐるみの運動に育ち、緑が根付いていくにつれて「緑と花づくりを通して生命の尊さを」「人づくりの原点を緑と花づくりに」といった声が高まってきました。


【1955 年】
商工会議所の提唱により、「宇部を花で埋める会」(会長:宇部商工会議所会頭)が発足しました。

【1956 年】
「宇部を花で埋める会」が市民の花をバラと決めました。

【1958 年】
市女性問題対策審議会の提唱で「市民公園を花で埋める会」が発足しました。各家庭から手持ちの種子の提供や事業所等に種子代の寄付を呼びかけることからはじめ、やがて「花いっぱい運動」などの様々な市民運動へと広がっていきました。

【1958 年】
第1回花壇コンクールが実施されました。(20団体の参加)

【1960 年】
「花壇コンクール実施要領」が定められ、年1回春と秋に実施すること、花壇用の苗は市の苗圃で育て参加団体に無償配付すること等が決定しました。

【1972 年】
宇部市緑化運動推進委員会(会長:宇部市長)が実施した一般公募により、市花を「サルビア」と定めました。

【2004 年】
楠町との合併により、市花に「つつじ」を追加しました。

【2014 年】
2011 年に花壇コンクールが100回を迎えたことを記念し、ときわ公園内に「花いっぱい運動記念ガーデン」がオープンしました。

【2017 年】 「うるおいが感じられるまちづくり」を目指し、中心市街地で「まちなか緑と花の回廊づくり」を始めました。

【現 在】
2018 年度秋の花壇コンクールで114回を迎え、180を超える参加団体があります。

基本理念

 本市では、これまで「緑と花と彫刻のまちづくり」を官民が一体となって取り組んできたことから、「花を育てよう」「花を飾ろう」という市民文化が育まれています。
このような本市の誇れる取り組みを次世代に継承し、さらに持続的に発展させていくためには、市民自らが、楽しみながらまちづくりを行い、いつも花が咲き乱れ、四季それぞれの楽しみを感じ、うるおいの豊かな生活を実現していくことが大切です。
これにより、住んでいるまちの価値も市民で作りあげていくことになります。

 「緑と花と彫刻のまちづくり」の新たなステージとして、ガーデンシティうべを目指した様々な取り組みを全市的に展開するために、本構想の基本理念を以下のとおりとします。

花と緑にあふれ、市民が輝き誇りを持ち、人々の暮らしを豊かにする持続可能なまちづくりを目指す

テーマ

 本市が抱える課題を踏まえて、以下の3つをガーデンシティうべのテーマとして、取り組みを進めます。

緑と花と彫刻のまち宇部

「まちを育てる」

  • *緑と花と彫刻が調和したまち
  • *心豊かに暮らせるまち
  • *世界に誇れるまち

市役所周辺などの拠点整備や、中心市街地を対象とした重点地区づくりなど、バラを中心に四季折々の花が咲く、ガーデンシティの基盤となる整備を市民と共に取り組みます。

「ひとを育てる」

  • *学ぶ
  • *交流する
  • *広がる

ガーデンマイスター制度の創設や市民団体との交流、ワークショップなどを通じ、これまで以上に市民がガーデンシティの主役となるための人材育成や文化醸成に取り組みます。

「花を育てる」

  • *市民参加
  • *産業化
  • *農業の活性化

需要の掘り起こしやうべブランドの創出、ガーデンシティを支える生産農家の育成などにより、地域産業の振興に取り組みます。

循環構造

3つのテーマの取り組みが循環することにより、基本理念を実現し、持続可能な開発目標(SDGs)の達成につなげます。

持続可能な開発目標(SDGs)

イメージ図

 ガーデンシティうべ を表すイメージ図は以下のようになります。

 花と緑にあふれ、市民が輝き誇りを持ち、人々の暮らしを豊かにする持続可能なまちづくりを目指します。

持続可能な開発目標(SDGs)

まちを育てる

緑と花と彫刻にあふれたまちの拠点

市本庁舎の建て替えにあわせた市役所周辺の整備や、ときわ公園のさらなる魅力アップに取り組みます。本市の玄関口である山口宇部空港や宇部駅周辺をウェルカムゾーンとし、楠こもれびの郷やアクトビレッジおのを北部地域の拠点として緑や花、彫刻のまちの印象づくりを進めます。

まちの拠点

市役所周辺

市本庁舎には、ガーデンシティの庁舎に相応しい壁面緑化を、庁舎敷地内には、シンボリックな彫刻を配置するとともに、その周辺では緑や花と彫刻が調和した空間づくりを行います。

ときわ公園

緑と花と彫刻のまち宇部

花いっぱい運動記念ガーデンやぼたん苑、彫刻の丘など既存の施設を中心に、四季折々の花が楽しめる空間を創出するとともに、動物園や世界を旅する植物館の魅力づくりを積極的に行い、来園者の滞在時間の延長や満足度の向上を図ります。

ウェルカムゾーン / 山口宇部空港

山口宇部空港

山口宇部空港のターミナルビル周辺では、約160品種・約1,000株のバラが咲き誇る薔薇園が整備され、開花期には人気のスポットになっています。引き続き、本市の空の玄関口として魅力向上を図ります。

山口宇部空港 バラ園マップ
ウェルカムゾーン / 宇部駅周辺

宇部駅周辺

本市の西の玄関口である宇部駅周辺には、アイキャッチ効果の高いフラワーウェルカムゲートやプランターなどを設置し、緑と花と彫刻のまちの印象を与える空間づくりを進めます。

北部地域の拠点 / 楠こもれびの郷

楠こもれびの郷

北部地域の農林業の振興と、地域活性化の交流拠点である楠こもれびの郷は、バラを植栽している既存の花壇など周辺施設を活用して、緑と花と彫刻が調和した空間づくりを行います。

北部地域の拠点 / アクトビレッジおの

小中学校を対象とした環境教育と交流の拠点であり、施設内には年間を通じて楽しめるハーブ園や芝桜などが植栽され、自然豊かな環境整備を行っています。これら既存施設を活用し、「緑と花と彫刻のまち宇部」ならではの空間づくりを行い、引き続き、北部地域の交流拠点として更なる魅力の向上を図ります。

市民が誇れる“ ガーデンシティうべ” の顔

中心市街地(約140ha)を重点地区として位置付け、拠点のひとつである市役所周辺を含め、“ ガーデンシティうべ” の顔となるよう、緑と花があふれ彫刻と調和した魅力ある空間づくりを行い、賑わいの創出を図ります。

まちの拠点

ガーデンロード(シンボルロード・国道190号)

緑の軸であるシンボルロード(市道常盤通り宇部新川駅線)及び国道190号(中央町交差点~松山町一丁目交差点)は、まちなか緑と花の回廊づくりの充実を図るため、広い歩道空間につるバラなどを装飾し、既存花壇はバラを中心とした花木を植栽することで、華やかなまちのメインストリートとして生まれ変わらせます。

ガーデンロード

ガーデンリバー( 真締川)

本市の南北軸であり、水の軸である真締川公園の既存の植栽を間伐し、採光や風通しをよくするとともに、バラなどの花木を植栽して、誰もがくつろぎ、癒される空間を創出します。

ガーデンリバー

“ ガーデンシティうべ”を世界に

2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックを契機とした効果的な情報発信や花に関連した国際的なイベントの開催などを通じて、国内外から愛好家や観光客を呼び込みます。

花を通じて世界に発信

『世界バラ会連合第20回世界大会』(2024年開催)の開催地である広島県福山市と連携を図り、同大会でガーデンシティうべの魅力を世界に発信していきます。

世界中からバラの専門家や愛好家を集めたバラコンテストなど国際的なイベントの開催を目指します。

花回廊マップやSNS などを多言語化し海外へ発信します。

Action Plan

ひとを育てる

頼れるガーデニング専門家「ガーデンマイスター」

ガーデンシティうべを支える専門家「ガーデンマイスター」を養成する制度を創設するなど、初心者からエキスパートまで花づくりを学べる場を作ります。

「ガーデンマイスター」

ガーデンマイスター制度の創設

花やガーデニングに関する総合的な知識と経験をもつガーデンマイスターを養成する講座を開催し、ガーデンマイスターとして認定します。

ガーデンマイスター認定者は、有償で、花苗の栽培やまちなか花壇の植栽、維持管理活動のほか、イベント企画や講演会、出張講座等を開催するなど、ガーデンシティうべを支える専門家として活躍してもらいます。

花の育て方スクール等の開催

花の育て方スクール

ガーデニングに興味を持ってもらうため、花の育て方スクールや技術力に応じた花づくり講習会を開催します。

花づくりのガイドブックの制作

「花づくりのガイドブック」を制作し、花づくりへの活用や、講座や学校などの教材として活用していきます。

花育授業の実施

花育授業

若い世代の花への関心を高めるため、小中学校などにガーデンマイスターを派遣し、花育授業を実施します。

緑や花でつながるガーデンシティ交流

緑と花のまちづくりが盛んな他都市との交流やガーデンツアーを実施し、市域内外の交流を促進します。

専門職のスキルアップ交流

スキルアップ交流

他都市の専門家などとの交流や連携を深め、職員や市民の技術力向上に努めます。

ガーデンシティ交流

ガーデンシティを目指している都市間で、交流会や連携イベント、研修会などを開催し、ガーデンシティの推進に向けた情報・意見の交換を活発に進めます。

ガーデンツアーの実施

ガーデンツアー

花壇コンクール、オープンガーデン、まちなか花壇などを併せたガーデンツアーを企画実施することで、市民の花づくりの機運を高めていきます。

はなを育てる

オンリーワンのうべブランド

オリジナルの花の生産や、それを加工した様々な商品開発など、うべブランドとして確立させる土台づくりを支援します。

宇部小町の商品化

宇部小町

宇部で育てたつる性ミニバラ「宇部小町」の鉢植えやハーバリウムなどの商品化を支援します。

宇部オリジナルバラの開発

花の育て方スクール

宇部オリジナルのバラの開発や、ブランド化、産業化を支援します。

花に関する食品( 商品) の開発

花に関する食品

宇部で生産した花を用いたオリジナルエディブルフラワーやオーガニック食品の開発を進めるとともに、市内での販売や、カフェ・レストランへ流通を支援します。

菜の花や椿の植栽を推奨し、花から採取した油(菜種油や椿油)の商品化を支援します。

花き生産を盛り上げよう

生産体制の強化や生産物の質の向上を図るために、生産者の確保やスキルアップ、後継者問題の解消などに取り組みます。

花き生産

花苗の生産の拡大

切り花に加え、花苗や宿根草の生産を拡大し、ガーデンシティうべへの活用を図ります。

営農法人化・企業参入

一定規模の土地について、複数の生産者が共同で生産し、効率的な生産体制が確保できる営農法人化や新たな企業の参入を支援します。

先進生産者の取り込み

市内外の先進生産者にガーデンシティうべへの協力を促し、技術協力を仰ぐことで、市内生産者とともに新規事業の参入の可能性を探るなど、活発な活動につなげます。

新規就農者の確保

山口県立農業大学校や市内の高等学校などと積極的に連携し、ガーデンシティうべの取り組みや補助制度などを紹介し、新規就農者の確保に努めます。

ICT、IoT の導入

生産性の向上、省力化、効率性・安定性の確保のため、生産管理・発注管理などへのICT、IoT 技術の導入を支援します。

生産体制、経営マネジメントの強化のため、生産者の蓄積したデータに対し、大学やコンサルタントなどの専門家が分析・評価などを行うバックアップ体制の構築を図ります。